「先生、スカートが穿けるようになりました!」
そう言ってよろこんでくださったのはもうすぐ80代になるYさんです。
女性ならいくつになってもおしゃれを楽しみたいですよね~。でも足のむくみを気にしてズボンを穿いていらっしゃる方、以外に多いんです。
「私の足、象みたいなんです。」はいはい、そうおっしゃらないでください。
確かにむくみがひどくて足首どこいったんですか~なんて感じの方いらっしゃいます。
「どうして私のあしは左右でこんなに太さが違うのかしら?」
そうなんです。右足と左足、左右で太さがかなり異なる方けっこういらっしゃいます。
むくみは身体の中の水分の循環が悪いのが原因です。
最初は腰の痛みや膝の痛みでいらした方もはり治療をしていると足のむくみもよくなります。
でもどうしてはり治療で本治法をするとむくみが良くなるのでしょうか?
東洋医学では身体の水分の代謝と関係するのは肺・脾・腎、そして三焦です。
むくみがあると腎臓が悪いのかしら?と思われる方が多くいらっしゃいます。
もちろん腎は水蔵、津液を主るといい身体の水分代謝にとってとても重要な役割をしています。ですが身体の水分を巡らせる働きには脾や肺、三焦の連係プレーが大切となります。
少し専門的な話になってしまいますが、脾は「運化を主どる」と言って体の中の水を巡らす役目をもっています。三焦は「決涜の官、水道出づ」といい水液の道路といい現代で言えばリンパ系です。
「肺は水の上源」といって肺の宜発粛降(呼吸の働き)により通調水道作用がおこり、余分な水分は汗や尿として対外に排出されます。
他にも腎と表裏の関係の膀胱や肝、心などこれら臓腑の働き、連係プレーがうまくいかなくなると身体の水分を巡らせる働きが悪くなりむくみが生じてきます。
(実際の数値で現れていなくても東洋医学で言うところの五臓はそれぞれの働きの事をいいます。)
からだにとって正常な水分は津液といいますが病的な水分は痰、飲、湿といってこれらは病理産物と考えます。
みなさんむくみに効くツボはなんですか?と聞かれるのですが、大切なのは弁証論治です。
季節や体質を考慮しその方の必要なツボを使用し、身体全体のバランスを整えると水分代謝もよくなりむくみも減ってくるのです。
むくみを取るツボというとお臍の少し上にある水分や足のすねの内側の陰陵線などが有名ですが、必ずしもそのツボを使ったからと言って効果があるわけではありません。
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