しびれや痛みの病~痺証~

坐骨神経痛や脊柱管狭窄症、胸郭出口症候群や手根管症候群など西洋医学で分類される手や足のしびれの病名はいろいろありますが、東洋医学で考えるしびれや痛みの病は痺証といいます。

東洋医学の古典の素問には『風寒湿の三気雑わり至り、合して痺となるなり。』とあります。

痺証は風・寒・湿・熱などの外邪が合わさって身体に侵入し発生します。邪気が経絡を阻滞させると気血の流れが悪くなり筋肉や結合組織、腱、関節などに痛みや痺れ、だるさ、さらに関節が曲がらない、あるいは関節が腫れて熱を持つなどの症状が発生します。

もともと身体が弱かったり、正気虚といって体のエネルギーが不足していると身体の防衛能力が低下します。

そうなると外邪が侵入しやすくなり病の発生する素因となるのです。

痛む場所が一定で痛みがかなり激しいのを痛痺といいます。だるい痛みがあっちにいったりこっちに言ったりするのを行痺といいます。痛みはそれほどひどくないのだがからだが重くて動かしにくく、痛んだり痺れたりするのを著痺といいます。

軽症のうちに治療すれば早く良くなるのですがさらに進んでオ血や痰濁となると取り除くのに時間が必要になります。関節が腫れたり固まったりして曲げたり伸ばしたりが難しくなります。

さらに病が進行すると経絡から臓腑の病へと変化していきます。

最近ではトリガーポイントと言って長引く慢性的な痛みやしびれは筋膜の癒着や筋肉の硬化が原因と考えられるようになってきました。トリガーポイントは東洋医学でいうところのツボの位置にとてもよく似ています。

太一堂の治療は痛いところに直接はりを打つという治療ではありません。痛いと感じている場所と原因となる場所が異なるからです。

 

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